【書籍のつくり方・基本編】企画から本が完成するまでの8ステップ

「出版しよう、本をつくりたい」と思っても、多くの方は一度も書籍づくりの経験がなく、そもそも何から始めてどう進めればよいかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このページでは、企画から始めて本ができるまでの流れを一通りご紹介します。


ステップ1:企画

出版企画を立案します。著者さん側で企画を立てることも、出版社の編集者がつくることもあります。

編集者が企画を立てる場合は、「どのような本を人々は求めているのか?」「どのような本が多くの人々の心をつかみ、売れるか?」を考え、アイデアを出していきます。それに基づき、その企画内容にふさわしい著者にコンタクトを取り、執筆を依頼します。
はじめに著者ありきで「その著者の本を出したい!」と企画を立てることもしばしばあります。

編集者の側から企画立案を行うのみならず、著者の側からアプローチを受けて企画を立てることも少なくありません。


ステップ2:目次づくり

その本の全体像をイメージし、全体構成をつかむために、目次を作成します。著者が執筆する上でのガイドラインにもなります。企画立案や打ち合わせの段階でここまで行うこともあります。
フォーマットにこだわる必要はありませんので、Microsoft Word文書に箇条書きで十分です。

【書籍のつくり方・基本編】「企画・目次づくり」でやっていること・出版企画書の書き方


ステップ3:原稿執筆

ここまでのプロセスを踏まえ、著者が原稿を書いていきます。スケジュール管理が重要となってくる工程です。

【書籍のつくり方・基本編】「原稿執筆」で著者さんに気をつけていただきたいこと


ステップ4:編集

書き上げられた原稿をもとにして、具体的に書籍の体裁につくり上げていく工程です。

1.原稿整理

まず、読みます。
しっかり読みながら、誤字脱字などがないかどうか、事実関係の誤りや内容におかしなところはないか、などを確認し、必要に応じて加筆修正していきます。

著者はもちろんある程度推敲を重ねて原稿を仕上げていますが、第三者(編集者)の目が入ることで内容に変化が生じることもあります。一冊の本は、著者と編集者との共同作業の産物です。

また、「表記統一」という、本書の中で使う用字用語を揃えていく作業を行います。たとえば、一つの書籍の中で「めざす」とかなで書いてあるところと「目指す」と漢字を使って書いてあるところが混在していると、読みにくく見苦しいものです。同一ページに存在しているとなおさらです。これらをいずれかに統一していきます。

2.割付(わりつけ)

いわゆる書籍のページレイアウト(デザイン)を指定していく作業です。1ページの文字詰めは1行何文字×何行であるか(それ自体は「企画」の段階で決められていることがほとんどで、そこから総ページ数が計算されています)、本文の書体は何を使うか、見出しはどのような書体を使い行ドリや字下げはどうするか、といったことを指定していきます。写真や図版や表組があればしかるべき処理をし、印刷できる状態に整えて挿入箇所を指定します。

印刷所は、この指定に基づいて、整理された原稿を誌面につくり上げていく作業(「組版」と言います)を行います。ちなみに編集者が原稿整理を済ませて印刷所に原稿を渡すことを「入稿」と言います。

masterpeaceの出版サービス「グーテンブック」ではこの組版のプロセスを自動化しているため、書籍のページレイアウトをひとつひとつ作っていく必要はありません。ご用意しているページレイアウトからイメージの合うものを選ぶだけですぐに書籍ページを手に入れることができます。

【書籍のつくり方・基本編】編集者が「編集」でやっていること


ステップ5:校正

整理された原稿を印刷所が組版し、できあがった誌面と原稿とを見比べて、正しく仕上がっているかどうかを確認する作業が校正です。印刷所が組み上げてきた誌面の仮刷りを「校正刷り」「ゲラ」などと呼びます。出版の各工程がデジタル化される以前は、原稿をもとに一文字ずつ「活字」を拾い上げて組んでいく作業(「文選」と言います)があったため、ゲラの中に誤字脱字が出てくる可能性がありました。それを正していくのが校正というプロセスの主要な作業でした。

現在では文字はデジタルデータでやりとりされていますので、入稿された原稿とゲラとは、少なくとも文字の面では違いがないものになっています。したがって校正の作業は割付指定のとおりに組版が行われているかどうかを確認することが中心になっています。

グーテンブックでは組版のプロセスを自動化しているため、校正の作業は原稿整理の段階で、著者とのやりとりの中で、Microsoft Wordのファイル上で行います。つまり組版と校正の順序が逆になっている格好です。


ステップ6:組版(データ化)

上述のとおり、整理された原稿を割付指定のとおりに印刷所が誌面につくり上げていく工程です。グーテンブックではMicrosoft Wordのファイルで指定された見出しをそのまま書籍の見出しに変換し、任意のレイアウトに組み上げて、目次まで自動作成するシステムを使用しています。どのようなデザインのレイアウトにするかは、お打ち合わせの段階で見本をご覧いただきお選びいただけます。


ステップ7:何回もチェック

グーテンブックでは基本的に校正済みの原稿を自動組版システムによって書籍データ化しているため、この段階では誤字脱字や内容の不具合などは、ある程度少なくなっていることが期待されます。しかし、ここまでのプロセスの中で、どうしても漏れが生じてしまう可能性は、残念ながらいくらか存在します。それを拾い上げ、誌面の精度を高めていく工程がここになります。場合によっては何回も繰り返し確認することもあります。


ステップ8:校了

校正を経て、誤字脱字や内容の不具合などがなくなり、組版の結果が問題なしとなれば、校正は終了です。これが校了です。校了となったデータは印刷へと進め、製本されて書籍となり、書店に流通されます。電子書籍の場合は電子書籍のファイル形式に変換され、Amazon等のストアに配信されます。


1冊の本ができるまでにかかる期間

一般的には一冊の本ができるまで、企画から校了までには4~6か月程度の期間を要します。内容の性質や著者の個性によっては、年単位を費やすこともあります。masterpeaceの出版サービス「グーテンブック」では独自のシステムによりこの期間も短縮し、平均して3か月ほど、原稿がしっかり整えられていれば1か月以内に完成させることが可能です。



以上が、企画から本ができるまでの一通りの流れです。
1冊の本を作るのにも意外と多くの手が加わっていることに驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。

masterpeaceはデジタル技術を活用し、手をかけなければいけないことはかけ、いい意味で手を抜けるところは手を抜くことで、出版をよりカンタンで身近なものにしています。

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